朝日新聞「天声人語」に本校の「ひとこねくと事業」が掲載されました New

令和4年3月25日(金)の朝日新聞「天声人語」に本校の「ひとこねくと」事業の取組みが掲載されました。以下、掲載された全文となります。

 
 「タップの壁」という言葉を先日、初めて耳にした。スマホの画面を指先でタップする(軽くたたく)コツがつかめず、スマホを敬遠してしまうことをいう。キーボードを押し慣れた世代にしばしば見られるという▼耳慣れない言葉に出合ったのは、瀬戸内海にある弓削(ゆげ)商船高専(愛媛県)を取材した日。地元の島々では、コロナ禍で島外との行き来が減り、住民が孤立を深めていた。このため同校は2年前から、遠くの家族や友人とスマホなどの通信端末でやり取りできるよう手助けしてきた▼「どこを押せば画面が変わる?」「何秒間押すと長押し?」。矢尾優美香さん(20)ら学生は、お年寄りからそんな質問を何度も受けた。どうやら壁は操作の基本、タップにあると気づいたという▼高齢者に限った話ではない。50代後半の当方も日々スマホを使いながら、指の動きに自信が持てない。常にキーボードが眼前にあるパソコンやガラケーでは感じなかった戸惑いだ。取り扱い説明書を見てため息をついたことも一再ならずある▼iPhone(アイフォーン)が世に出て今年で15年。指先の感覚で画面を操れる斬新な発明は世界に旋風を巻き起こした。若い世代には自然に受け入れられたものの、だれもがすんなり適応できたわけではない▼タップ、スワイプ、フリック――。一昔前までふだん使うことのなかった動詞である。この先スマホすら過去の遺物となる日が来るだろう。「スマホ時代はよかった」とぼやく自分が見える。



朝日新聞、令和4年3月25日(金)、承諾番号「22-0920」
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