新世代の練習船弓削丸III世の誕生

新世代の練習船弓削丸III世の誕生

船名「弓削丸」は本校が旧商船高等専門学校時代の校内練習船弓削丸に因んで受け継がれ、本船は3代目になります。
昭和36年3月に竣工した弓削丸I世(GT60旧トン、主機馬力200PS)は、小型ながら、その航行範囲は阪神、九州の瀬戸内海全域に及び、校内練習船として十分な役割を果たしました。

弓削丸II世(GT336.02旧トン、主機馬力700PS)は昭和45年3月に竣工した長船首楼型鋼船で、当時の最新の装備をした自動化船として建造後20有余年にわたり学生の実験・実習および卒業研究並びに教官及び外部研究機関との船舶運行及び海洋等に関しての調査・研究活動等に大いに活用されました。

近年、船体、機関、各種航海計器及び調査機器が老朽化したこと、更にその後の電気、電子技術の急速な進歩によるコンピュータの実用化により我が国の海運界も国際競争力を保持するため、船は超自動化の傾向を強め航機両方の運転士で動く近代化船が多く就航してきたこと、等を勘案し本校においてもその動きに対応して新式装備の代船を計画し、このたび最新の技術を駆使した弓削丸III世が平成6年3月、三井造船(株)玉野事業所において竣工致しました。

弓削丸III世は、次の大きな特徴を持っております。

  • 機関部の大型機器に防振対策を施し振動・騒音に配慮している。
  • CPP採用に加えてバウ・スターンスラスタの組み合わせにより良好な操縦性を実現している。
  • サイリスタ・インバータ式の軸発電機を採用し、発電システムにおける省燃費、省力化を図っている。
  • 高精度な測位システムと組み合わせた省エネルギー、安全航行並びに操船の合理化を目的とした航行管理支援システムを採用している。
  • 航行情報、船体運動情報、機関運転情報など運転諸元に関する全ての情報を収集し、また舵取機、CPP、スラスタのコンピュータ制御が可能なデータ処理システムを採用している。
  • 船内の受画装置の映像を編集管理し教室のスクリーンに表示可能な映像音響処理システムを採用している。
  • 女子学生の専用居住スペースを確保している。

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